公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

妊娠中の仕事量の目安

妊娠中も仕事を続ける女性や、職場の上司・同僚の参考に、
妊婦にとって負担が大きいとされる仕事量の目安をまとめました。

働く妊婦 どこからが「無理」している状態?


近年、妊娠後も仕事を続ける方が増えています。周囲からは「無理しないでね」と声をかけられることが多いですが、妊婦にとっては、どこからが「無理」している状態なのでしょうか?

実は、日本における妊娠中の仕事量の目安は、明確には示されていません。この要因として、妊娠中にたくさん動いても全く問題ない方もいれば、ずっと安静が必要な方もいるために個人差が大きいこと、また研究が十分に進められていないことが挙げられます。そこで私たちの研究では、妊婦にとって体に負担が大きいとされる仕事量の目安について、海外のガイドラインも含めて検討しました。

妊婦が健康的に働くために 仕事量の目安 


7つのガイドラインに基づき、多くの妊婦に関連する5つの項目についてまとめました(図)※1 。この目安を超える仕事は、一般的に妊婦にとって負担が大きいため、注意しながら行う必要があります。また、妊娠中も「座りすぎ」は健康に良くないとされており、座り仕事と立ち仕事は交互に行うことが望ましいと言われています。

一方、妊娠中の運動は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の予防、適切な体重管理に効果的であることも報告されています※2-3。したがって、健康な妊婦の場合は、目安以上の仕事でも即座に制限する必要はなく、体を動かす良い機会と考えることもできるので、仕事を調整するための目安のひとつとしてください。ただし、仕事の調整に関しては、妊婦の状況を把握している主治医と相談することが最も重要です。


【出典】
※1 和田ら, 日本母性看護学会誌 (2023)
※2 Piercy KLら, Journal of the American Medical Association (2018)
※3 Australian Government Department of Health, Evidence-based physical activity guidelines for pregnant women (2020)


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著者
和田 彩 Wada Aya
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員

専門分野 ウィメンズヘルス、看護学
主な研究テーマ 女性の健康課題と就労との両立

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