健康づくりウォッチ
2022年3月31日
音楽に合わせた軽体操は、高齢者の認知機能や気分の向上に効果的
音楽に合わせた軽体操のひとつ、スローエアロビック®
高齢化が急速に進む日本において、高齢者のうつ・認知症予防が大きな社会的課題となっています。高齢者の認知機能やメンタルヘルスの向上につながる実践しやすい運動として、身体に負担の少ない低強度運動があげられます。私たちは、音楽に合わせた軽体操として、スローエアロビックを取りあげ、その効果を検証しました。
【出典】 Hyodoら,体力研究(2019)
※「スローエアロビック」は筑波大学、公益社団法人日本エアロビック連盟と共同で開発・効果検証をしているリズム体操であり、日本エアロビック連盟の登録商標です。
少し速いテンポで、休憩をはさみながら行うと、より楽しく快適に
近年、楽しく実践できる運動様式として、同じ強さで運動し続けるよりも中・高強度の運動と休憩(または軽い運動)を組み合わせる間欠的運動が注目されています。そこで、私たちは、音楽に合わせた軽体操を、10分間連続して行う場合と、少しリズムを速めて休憩をはさみながらインターバル形式(間欠的)で行う場合の、気分や認知機能の向上に対する効果を検証しました。
その結果、認知機能の向上は同程度でしたが、インターバル形式のほうが、より運動中の気分が良くなり、楽しさも向上することが明らかになりました(図)。
【出典】 Hyodoら,Frontiers in Aging Neuroscience(2021)
運動中の気分や楽しさは運動の継続率に関係するといわれています。きつい運動が苦手な方も、スローエアロビックのような軽い運動を楽しく続けることで、これからの健康づくりを楽しんでいきましょう。
※PDF版はこちら
著者
兵頭 和樹 Hyodo Kazuki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員
専門分野 運動生理学、認知神経科学
主な研究テーマ 運動が高齢者の認知機能に与える効果とその脳機構
兵頭 和樹 Hyodo Kazuki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員
専門分野 運動生理学、認知神経科学
主な研究テーマ 運動が高齢者の認知機能に与える効果とその脳機構