健康づくりウォッチ
2022年4月7日
新型コロナウイルスの抗体価
新型コロナウイルスの感染予防にはワクチン接種が最も効果的です。しかし、ワクチン接種をしても免疫反応には個体差があるので、抗体のでき方にも個人差がみられます。
抗体価はワクチン接種後6か月で半減
新型コロナウイルスの抗体は時間とともに減少し、ワクチン接種6か月後では、半分程度に低下すると報告されています。日本でも、3回目のワクチン接種が急がれています。イスラエルでは4回目のワクチン接種が開始されたという報道もあります。もうしばらくは、定期的なワクチン接種が必要ですが、接種のキーとなるのがワクチン接種後の抗体価です。
明治安田新宿健診センターでは、2021年1月から受診者に対して新型コロナウイルスの抗体価のオプション検査を開始しました。検査は血液検査と同時に行うため、採血は1回で済みます。ロシュ・ダイアグノスティックス社の試薬を用い、0.4 U/ml 以上が抗体価陽性とみなされます。この検査は、感度が98.8%、特異度は99.98%と非常に精度が高いのが特徴です。
新型コロナウイルスの抗体価に対する受診者の関心度は高く、2021年12月までに704人の方が抗体価検査を行いました。内訳は、男性293人、女性411人でした。ワクチン接種が少なかった1月から6月には抗体価陽性者はいませんでしたが、7月以降急増しました。抗体価陽性の割合は、7月になると男性、女性それぞれ43%、90%、12月はともに95%が陽性となりました。
自分の抗体価を把握し、ワクチン接種目安の判断材料に
性別、年齢別の抗体価を図に示しました。女性のほうが男性より抗体価の平均値は高く、女性では65歳以降で低くなっています。男性では、40歳未満の若い世代で抗体価が高く、60歳以降は低くなる傾向がみられました。どのくらいの抗体価があれば、コロナの感染予防や重症化に有効なのか不明ですが、自分の抗体価を知っておくことにより、3回目のワクチン接種時期や行動の目安になると思われます。
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著者
内田 賢 Uchida Ken
一般財団法人 明治安田健康開発財団
新宿健診センター 医師
専門分野 早期乳癌の診断、乳管内視鏡、乳癌の手術療法、家族性乳癌、乳癌検診
内田 賢 Uchida Ken
一般財団法人 明治安田健康開発財団
新宿健診センター 医師
専門分野 早期乳癌の診断、乳管内視鏡、乳癌の手術療法、家族性乳癌、乳癌検診