公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

“ちょこっと運動”の知られざる健康効果

なかなか運動する時間がとれなくて困っている方に朗報です!
1日5分程度の短い運動でも、健康に良い効果がありそうです。

塵も積もれば山となる!ちょこっと運動でも寿命延伸・疾病予防


これまで、運動は少なくとも10分以上連続して実施しないと効果が望めないと思われてきました。しかし、近年の研究によって、1回1分以内の細切れの運動でも、健康効果が期待できることが明らかになってきています。

イギリスの成人およそ25,000人を対象とした研究では、ウェアラブルデバイスを用いて身体活動を評価し、将来的な死亡リスクとの関連を検証しました。その結果、1回1分以内の短時間かつきつい身体活動(階段を駆け上がるなど)を、1日合計5分実施することで、将来の死亡リスクが30%程度低減することが示されました(図)。またこの効果は、がんや心血管疾患においても確認されており、こうした疫学的知見から、短時間のちょこっと運動の有用性が学術的にも広く認知され始めています。



【出典】Stamatakisら,Nature Medicine(2022)

Exercise snacks:お菓子をつまむ感覚で運動を取り入れよう


これらのエビデンスの蓄積に伴い、海外の研究チームを中心に「Exercise snacks」という考え方が広まり始めています。Exercise snacksとは、1日の生活の中で、1分程度のやや激しい運動を「お菓子をつまむ感覚で」、頻繁かつ手短に行うことであり、運動をするまとまった時間が取れない勤労世代に対して、特に有効なアプローチだと考えられています。

例えば通勤時や社内で移動する時に、エレベーターではなく階段を使う、コーヒーをいれている間にスクワットをするなど、普段の生活に短い運動を取り入れる形で、いつでもどこでもExercise snacksを実践できます。ちょっとの心がけとちょっとの時間で、健康を手に入れましょう!



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著者
藤井 悠也 Fujii Yuya
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員

専門分野 応用健康科学、運動疫学
主な研究テーマ 勤労者に対する運動の習慣化戦略の開発、運動やつながりを介した健康づくり
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