健康づくりウォッチ
2020年9月10日
運動不足だからこそストレッチ運動から始めよう
ストレッチ運動は健康に対する効果がイマイチと思われがちですが…
日常の身体活動量によって効果が変わるってご存知ですか?
日常の身体活動量によって効果が変わるってご存知ですか?
身体不活動なヒトに適した運動パターンは?
昔から「運動は薬の代わりになる」といわれています。一方で、急激な運動負荷が、ときにはネガティブな影響を与えることがあります。その要因の1つとして、日常的な身体活動量が関係している可能性があります。
そこで、日常的に身体活動量の低い成人男性を対象に、一過性のストレッチ運動が認知機能と気分に及ぼす影響を検証しました1)。被験者は、10分間のヨガ様式を取り入れたストレッチ運動を行う群(図1)と安静群に分け、実施前後に認知機能テストと気分の調査を行い、比較しました。
ストレス反応なく脳もスッキリ!
その結果、ストレッチ運動群にはストレス反応(唾液中のコルチゾール濃度)に変化がなかったことから、実施したストレッチ運動が身体不活動者にとって無理のない運動パターンであることが示されました。また、ストレッチ運動群は、認知機能パフォーマンスが向上しました(図2)。さらに、やる気を反映する気分が改善する可能性も示唆されました。
したがって、日常的に身体活動量が低いヒトには、ストレッチ運動のような軽い運動でも脳の健康への効果が期待できるかもしれません。
運動は健康づくりには欠かせません。気合いも大事ですが、日ごろの活動状況を十分に考慮しながら、実施することが大切です。自分の身体と相談しながら健康づくりを進めていきましょう。
1) Sudo M, Ando S. Perceptual and Motor Skills, 2020
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著者
須藤 みず紀 Sudo Mizuki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 副主任研究員
専門分野 運動生理学
主な研究テーマ 脳と骨格筋の相互作用に着目した運動とメンタルヘルスの関係、骨格筋の収縮と認知機能の関係
須藤 みず紀 Sudo Mizuki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 副主任研究員
専門分野 運動生理学
主な研究テーマ 脳と骨格筋の相互作用に着目した運動とメンタルヘルスの関係、骨格筋の収縮と認知機能の関係