健康づくりウォッチ
2021年10月15日
Withコロナ = With 石鹸で手洗い
感染症予防に、石鹸で手洗いをすることは大切です 。
頭ではわかっていても、実際には石鹸での手洗いはあまり行われていません。
頭ではわかっていても、実際には石鹸での手洗いはあまり行われていません。
2人に1人は石鹸手洗いをしていない?
海外の研究では、高所得国で排泄後に石鹸で手洗いをする人の割合は42~49%でした1)。2人に1人が排泄後に石鹸で手を洗っていないことになります。日本で行われた調査では、新型コロナウイルス流行前、排泄後に公衆トイレで「しっかり手を洗っていた」人の割合は55%であったと報告されています。さらに、「 手を洗っていた」人のうち、石鹸を「必ず」または「よく」使った人の割合は54%でした2)。新型コロナウイルスが流行してからは「しっかり手を洗っていた」人の割合は 81%までに上昇しましたが、意外と石鹸で手洗いをしていない人が多いのです。
【出典】1)Freemanら, A European Journal (2014)
2)「日本の人々の公衆トイレでの手洗い等の調査(2020)」, TOTO株式会社ホームページより引用
2)「日本の人々の公衆トイレでの手洗い等の調査(2020)」, TOTO株式会社ホームページより引用
手洗いなし、水だけの手洗い、石鹸での手洗い~効果を比べると?
石鹸での手洗いは、新型コロナウイルスをはじめ、風邪や下痢といった誰でも起こりうる感染症を予防する効果があります。手に残るウイルスの量は、手洗いの有無や方法で大きく異なります。
手洗いをしなかった場合に比べ、流水で15秒間手を洗うとウイルスが1/100に減少します。ハンドソープで10秒または30秒もみ洗いをした後、流水で15秒間手を洗うと、手洗いをしなかった場合に比べてウイルスが1/10000に減少します。ハンドソープでもみ洗いした後、流水で15秒間のすすぎを2回行うと、さらにウイルス量が減ることが分かっています。
手洗いは、①石鹸を使って、②十分な時間、水で洗い流すことが大切です。
【出典】森功次ら, 感染症学雑誌(2006)
感染症のパンデミックといった危機的な状況になると、石鹸で手を洗う人の割合が増えます。しかし、時間の経過とともに徐々に低下していきます。自分も、大切な周りの人も感染症から守るために、一人ひとりが出来る感染症対策として、「石鹸で手洗い」をみんなで継続していきましょう。
※PDF版はこちら
著者
村松祐子 Muramatsu Yuko
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究技術員
専門分野 国際地域保健学
主な研究テーマ 石鹸を用いた手洗いの効果、石鹸での手洗いの普及
村松祐子 Muramatsu Yuko
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究技術員
専門分野 国際地域保健学
主な研究テーマ 石鹸を用いた手洗いの効果、石鹸での手洗いの普及