健康づくりウォッチ
2024年12月20日
スポーツ観戦は心身の健康に効果的?
スポーツを観戦して、元気・勇気・感動をもらったという経験はありませんか?
研究の結果、心身への健康効果が期待できることが分かってきました。
スポーツを「する」ことが心身の健康に効果的であることはよく知られていますが、スポーツを「観る」ことの健康効果はほとんど検証されていません。私たちの研究では、6,327人(うち勤労者4,851人)を対象として、現地やメディアでのスポーツ観戦の頻度と、様々な健康状態や生活習慣との長期的な関連を分析しました。
その結果、現地でのスポーツ観戦頻度が多い人ほど、1年後に心理的高ストレス状態や脂質異常症、生活習慣病の改善に対し無関心になるリスクが低いことが明らかになりました(図1)。また勤労者において、スポーツ観戦をしている人は観戦していない人と比較して、ワーク・エンゲイジメント※が高いことが分かりました。
さらに私たちは、「現地」と「メディア」という観戦方法の違いに着目し、分析を行いました。するとメディアでのスポーツ観戦頻度が多い人ほど、1年後に身体活動不足や朝食欠食になるリスクが低く、幸福感が高いことが分かりました(図2)。その一方で、高血圧や糖尿病、高BMIとなるリスクは高い可能性が示されました。生活習慣病に関連するリスクには、長時間座ったまま飲食しながらのスポーツ観戦、いわゆる「カウチポテト」の影響もあるかもしれません。
メディアでの観戦による潜在的なリスクには注意が必要ですが、スポーツを観ることでメンタルや生活習慣への良い効果が期待できそうです!
※PDF版はこちら
研究の結果、心身への健康効果が期待できることが分かってきました。
スタジアムなど現地でのスポーツ観戦の影響は?
スポーツを「する」ことが心身の健康に効果的であることはよく知られていますが、スポーツを「観る」ことの健康効果はほとんど検証されていません。私たちの研究では、6,327人(うち勤労者4,851人)を対象として、現地やメディアでのスポーツ観戦の頻度と、様々な健康状態や生活習慣との長期的な関連を分析しました。
その結果、現地でのスポーツ観戦頻度が多い人ほど、1年後に心理的高ストレス状態や脂質異常症、生活習慣病の改善に対し無関心になるリスクが低いことが明らかになりました(図1)。また勤労者において、スポーツ観戦をしている人は観戦していない人と比較して、ワーク・エンゲイジメント※が高いことが分かりました。
※ 仕事への活力や熱意など、仕事に対するポジティブな感情(心理状態)を指す。
TVなどメディアで観戦した場合の影響は異なるか?
さらに私たちは、「現地」と「メディア」という観戦方法の違いに着目し、分析を行いました。するとメディアでのスポーツ観戦頻度が多い人ほど、1年後に身体活動不足や朝食欠食になるリスクが低く、幸福感が高いことが分かりました(図2)。その一方で、高血圧や糖尿病、高BMIとなるリスクは高い可能性が示されました。生活習慣病に関連するリスクには、長時間座ったまま飲食しながらのスポーツ観戦、いわゆる「カウチポテト」の影響もあるかもしれません。
メディアでの観戦による潜在的なリスクには注意が必要ですが、スポーツを観ることでメンタルや生活習慣への良い効果が期待できそうです!
【出典】Kawakami & Kitanoら, Preventive Medicine (2024)
※PDF版はこちら
著者
川上 諒子 Kawakami Ryoko
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員
専門分野 運動疫学
主な研究テーマ 健康づくりのための身体活動・体力、身体活動・体力・筋量の評価法、スポーツ観戦の健康効果
川上 諒子 Kawakami Ryoko
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員
専門分野 運動疫学
主な研究テーマ 健康づくりのための身体活動・体力、身体活動・体力・筋量の評価法、スポーツ観戦の健康効果