研究の紹介
2014年11月7日
寝る前の軽いストレッチは睡眠改善とストレス緩和に有効
概要
良質な睡眠の確保は現代人の大変重要な健康課題です。睡眠には適度な運動がよいとの説がありますが、詳しいことはよくわかっていません。そこで私たちは、ストレッチ運動が睡眠改善やストレス解消に役立つのかどうかを調べました。軽い睡眠障害を持つ女性7名(35~59歳)が対象で、ストレッチを10分間行った直後に床につきます。睡眠中の脳波・眼球・筋肉などの活動を測定し(写真参照)、さらに睡眠前後のストレス反応(唾液中の免疫グロブリンA(S-IgA)(註1))を調べました。その結果、ストレッチをやらないときと比べて、不快な感情を弱めるレム睡眠が出現しやすくなり、ストレス反応が低下しました(グラフ参照)。これらのことから、寝る前の軽いストレッチは睡眠の改善やストレス緩和に役立つことがわかりました。
(註1)S-IgA
唾液に含まれる物質、慢性的なストレスに曝されると分泌量が減少する
唾液に含まれる物質、慢性的なストレスに曝されると分泌量が減少する
著者のコメント
ストレッチは、安全性と手軽さから老若男女を問わず実施できることから、広く一般の方々の睡眠改善・ストレス緩和策としてお勧めします。著者
明治安田厚生事業団 体力医学研究所 永松 俊哉 所長
出典
体力研究112号(2014年)
明治安田厚生事業団 体力医学研究所 永松 俊哉 所長
出典
体力研究112号(2014年)