研究の紹介
2015年11月10日
中年者、高齢者における運動強度と睡眠の関係
概要
運動は睡眠を良好に保つために有効であることが報告されていますが、睡眠への効果を得るためには、どの位の運動強度が必要かは明らかになっていません。また、ヒトの体力は加齢と共に低下するために必要とされる運動強度が異なる可能性があります。本研究では当健診センターのデータを活用し、中年者(59歳以下)、高齢者(60歳以上)のそれぞれで、どのような運動が良好な睡眠の維持に有効か縦断的に検討しました。
平均で3.4年間追跡した結果、中年者では中・高強度運動(ジョギングなど)が、高齢者では低強度運動(ウォーキングなど)が、主観的な睡眠不足に陥るリスクを軽減することが分かりました。良好な睡眠を保つには年齢・体力に応じた快適な運動を選ぶことが重要だと示唆されます。
著者のコメント
良好な睡眠の維持という観点からは、59歳以下の方には、ジョギングなどの少し息が上がる運動がお勧めですが、60歳以上の方は、ウォーキングなどの軽めの運動でも十分に効果が期待されます。自分の年齢、体力に応じた運動の種目や強度を選択することが重要です。著者
明治安田厚生事業団 体力医学研究所 角田 憲治 研究員
出典
Tsunoda et al., American Journal of Preventive Medicine, 2015
明治安田厚生事業団 体力医学研究所 角田 憲治 研究員
出典
Tsunoda et al., American Journal of Preventive Medicine, 2015