研究の紹介
2015年11月10日
腰や体幹部のストレッチは介護ストレスの緩和に有効
概要
要介護者の増加に伴い、介護する側の心身のストレスをいかに軽減するかが今後社会的に重要になりそうです。そこで私たちは、腰や体幹部を柔らかくする10分程度のストレッチ運動を考案し、その実践が介護ストレスの緩和に役立つのかどうかを調べました。介護職従事者40名をランダムにストレッチ群と通常生活群に分けます。ストレッチ群は就寝前にストレッチ(写真参照)を毎日行います。4週間の実験期間の前後で腰痛、柔軟性、ストレス反応(唾液中のコルチゾール(註1))などを男女別に調べました。その結果、女性では、通常生活群に比べてストレッチ群で柔軟性が改善し、ストレス反応も緩和されました。このことから、今回考案したストレッチは介護に従事する女性のストレスを軽減する効果が期待できそうです。
(註1)コルチゾール
慢性的なストレスに曝されると分泌量が増加する
慢性的なストレスに曝されると分泌量が増加する
著者のコメント
今回考案したストレッチは、多忙な介護職員でもほぼ毎日実施できることがわかりました。寝る前の僅かな時間を利用して介護ストレスの解消に取り組んでみてはいかがでしょうか。著者
明治安田厚生事業団 体力医学研究所 永松 俊哉 所長
出典
体力研究113号(2015年
明治安田厚生事業団 体力医学研究所 永松 俊哉 所長
出典
体力研究113号(2015年