研究所レポート
2018年7月24日
「臨牀透析」第34巻 第8号に掲載
「余暇活動としての運動・スポーツが身体、心理に与える影響」に関する論文が掲載されました。
掲載誌情報
掲載誌
臨牀透析
論文タイトル
余暇活動としての運動・スポーツが身体、心理に与える影響
著者
甲斐裕子
概要
透析療法を受ける患者数は年々増加しており、その健康寿命の延伸や生活の質(QOL)の保持は、大きな社会的課題です。近年の研究では、よく体を動かしている透析患者ほど長生きということがわかってきました。そこで本稿では、余暇活動として行う運動やスポーツが心身の健康に与える影響について、国内外の研究をレビューしました。
本レビューでは、透析患者でも身体活動を高く保ち、座りすぎの生活習慣を見直すことは、心身の健康増進にとって大きな意味があると結論づけました。特に、心理的健康を考えると、余暇活動として楽しみながら運動・スポーツに取り組むことは効果的です。しかし、運動習慣がなく体力低下が懸念される場合は、ストレッチ等の低強度の運動から始め、徐々に歩数を増やすなど工夫することで、健康寿命を延ばし、QOLの維持向上に役立つと考えられました。