研究所レポート
2020年7月3日
「体育の科学」第70巻第4号に掲載
兵頭研究員の「楽しい軽体操による高齢者の認知機能増進効果」に関する総説が掲載されました。
掲載誌
体育の科学
掲載号
2020;70(4):260-264
論文タイトル
楽しい軽体操による認知機能増進効果
著者
兵頭 和樹
超高齢社会に突入した我が国において、認知症患者の増加は社会的な問題になっています。WHOの認知症予防ガイドラインでは、週に150分以上の中強度の有酸素運動を行うことなどが推奨されていますが、多くの高齢者にとっては実践・継続が難しいのが現状です。そこで本レビューでは、楽しく継続できる軽体操が認知機能を高める可能性について概説しました。
音楽に合わせた軽体操を1回行うだけで認知機能を高めるとともに、気分も高めることがわかってきました。運動で気分が高まるほど、脳の前頭前野が活性化して認知機能が向上することから、楽しい軽体操は認知機能を効果的に高める可能性があります。また、習慣的に軽体操を実践することで、加齢に伴う前頭前野の萎縮が抑えられて認知機能が向上することも報告されています。体力に自信がない方や運動に対する意欲が低い方は、まず音楽に乗って軽く身体を動かすことから始めてみてはいかがでしょうか。
掲載誌情報
掲載誌
体育の科学
掲載号
2020;70(4):260-264
論文タイトル
楽しい軽体操による認知機能増進効果
著者
兵頭 和樹
概要
超高齢社会に突入した我が国において、認知症患者の増加は社会的な問題になっています。WHOの認知症予防ガイドラインでは、週に150分以上の中強度の有酸素運動を行うことなどが推奨されていますが、多くの高齢者にとっては実践・継続が難しいのが現状です。そこで本レビューでは、楽しく継続できる軽体操が認知機能を高める可能性について概説しました。
音楽に合わせた軽体操を1回行うだけで認知機能を高めるとともに、気分も高めることがわかってきました。運動で気分が高まるほど、脳の前頭前野が活性化して認知機能が向上することから、楽しい軽体操は認知機能を効果的に高める可能性があります。また、習慣的に軽体操を実践することで、加齢に伴う前頭前野の萎縮が抑えられて認知機能が向上することも報告されています。体力に自信がない方や運動に対する意欲が低い方は、まず音楽に乗って軽く身体を動かすことから始めてみてはいかがでしょうか。