研究所レポート
2018年5月1日
学会報告
神藤研究員が、第19回日本健康支援学会年次学術大会で研究成果を発表しました。
日程
2018年3月9日から3月10日
会場
京都橘大学
概要
「男子高校生におけるスポーツ実践とストレス対処力、気分の関連~学校サッカー部とJリーグユースチームに着目して~」について発表を行いました。高校生におけるスポーツ活動は、心理的発達や心理的健康に好影響を与えることが多くの研究によって報告されています。しかし、活動の内容や行い方によっては良い影響だけでなく、悪い影響を及ぼす可能性もあります。
そこで本研究では、高校生のスポーツ活動と心理的発達・健康との関係について、スポーツ活動の「実践の場」に着目しました。具体的には、我が国で多くの青少年に親しまれているサッカーを取り上げ、強豪学校サッカー部とJリーグユースチームに所属する男子高校生の「ストレス対処力」や「気分の状態」を比較しました。
その結果、スポーツ実践の場にかかわらず、サッカー部で優れた戦績のある生徒およびJリーグユースチームに所属する生徒は高いストレス対処力を有していました。一方、気分の状態はJリーグユースの生徒が学校サッカー部の生徒と比べて望ましい値を示しました。この理由として、学校サッカー部の練習量が多かったことや、学校運動部では特有の文化(上下関係への配慮や声出しなど)への適応が求められる可能性があることなどが挙げられます。これらの研究結果は、それぞれの場に所属する高校生の特徴を踏まえた指導や支援の基礎資料となることが期待されます。