研究所レポート
2020年6月18日
「Perceptual and Motor Skills」に掲載
須藤副主任研究員らの「不活動者に対する一過性のストレッチ運動が認知機能とメンタルヘルスにもたらす影響」に関する論文が採択されました。
掲載誌情報
掲載誌
Perceptual and Motor Skills
掲載号
2020;127(1):142-153
論文タイトル
Effects of acute stretching on ⅽognitive function and ⅿood states of physically ⅰnactive young adults.
著者
Sudo M, Ando S
掲載ホームページ
https://doi.org/10.1177/0031512519888304
概要
これまで、運動を介した健康づくりは効果的であることが知られており、近年では、「運動は薬の代わりになる」とも提唱されつつあります。一方で、個々人の生活習慣などを加味した運動の条件については、十分な検討がなされていませんでした。そこで、本研究では、日常的に身体活動量が低いヒトを対象に、一過性の短時間ストレッチ運動が認知機能と気分に及ぼす影響を検証しました。
その結果、身体活動量の低い成人男性に対して、本研究で用いたストレッチ運動は、認知機能の向上や気分の改善をもたらす可能性が示唆されました。また、ストレスレベルの指標となる唾液中のコルチゾール濃度に変化がなかったことから、身体不活動者へのストレッチ運動がストレスにはならなかったこともわかりました。したがって、日常的に身体活動量が少ないヒトにとっては、ストレッチのような低強度の運動でも脳の健康づくりに有効である可能性が示唆されました。